ゴルフクラブの中でも、スコアメイクの要とされる「パター」。その形状やデザインは長い歴史の中で進化を遂げ、多くの名選手の活躍を支えてきました。本記事では、パターの歴史とともに、各年代で人気を集めた名作パター、そして興味深い逸話を紹介します。
1. パターの起源と進化
起源
パターの歴史は、ゴルフそのものの誕生とともに始まりました。16世紀のスコットランドでは、木製のヘッドを持つパターが主流で、手作業で作られていました。当時は芝生の整備技術も未熟で、グリーン上での正確なパットは極めて難しかったと言われています。
19世紀: 金属ヘッドの登場
19世紀後半に金属製のパターが登場しました。これにより、パターの耐久性が向上し、より正確なショットが可能に。特に「プレミアムヒッコリーシャフト」と組み合わせたモデルが人気を博しました。
20世紀初頭: マレットパターの台頭
1900年代に入ると、マレット型(大きなヘッド)パターが登場。広いスイートスポットを持つこのデザインは、初心者でも安定したストロークができる点で評価されました。
2. 各年代を彩った名作パター
1920年代: “The Spalding Kro-Flite”
世界初の量産型パター。このパターは当時としては画期的な精密製造技術で作られ、多くのプロゴルファーに支持されました。
1950年代: “Ping Anser”の誕生
キャロウェイ社の創業者であるカーステン・ソルハイムによって作られた「Ping Anser」。これが現在のパターの基礎デザインとなりました。左右対称のブレードデザインは、多くのプレイヤーに愛用されています。1966年に誕生したPINGの定番モデルで、モデル名には「パターの答え」という意味が込められており、空前のロングセラーとなった。
1970年代: “Scotty Cameron”の台頭
スコッティ・キャメロンブランドが登場。クラシックな形状と高品質の素材を使用したパターは、特にトーナメントプロの間で爆発的な人気を誇りました。
1990年代: “Odyssey 2-Ball”
オデッセイが開発した「2ボールパター」。ボールのような2つの円がヘッドに描かれ、視覚的にストロークのラインを補助する斬新なアイデアが話題に。初心者からプロまで愛用されました。
2010年代: “TaylorMade Spider”
スパイダー型の大型マレットパター。安定性に優れ、ツアーでの勝率も高いことから多くの選手が使用。モダンなデザインも特徴的です。2008年の誕生以来、世界中のツアープレーヤーに支持されメジャー大会での数々の勝利に貢献してきました。
2020年代 taylormade TRUSS
2020年発売以降、女子プロ界で人気を誇るテーラーメイドのTRUSS(トラス)パター。
3. パターの形状とその特徴
ブレード型:
薄くシンプルな形状。精密なコントロールを重視する上級者向け。
マレット型:
大型のヘッド。初心者に優しく安定性が高い。
ハーフマレット型:
ブレードとマレットの中間のデザイン。バランスの良さが特徴。
アライメント型:
ラインを補助するためのデザインが施されたパター。
4. パターにまつわる逸話
タイガー・ウッズの伝説的パター
タイガー・ウッズが長年使用していた「Scotty Cameron Newport 2」は、彼の数々のメジャー優勝を支えたクラブとして有名です。このパターはオークションで数億円の価値がついたとも言われています。
パターを忘れたプレイヤーの奇跡
あるアマチュアプレイヤーがラウンド中にパターを忘れ、ドライバーで代用したところ、驚くほど良いスコアを記録したというエピソードが残っています。
5. まとめ
パターは、ゴルフのスコアメイクにおいて最も重要なクラブと言われます。その歴史やデザインの進化、そして逸話を知ることで、プレーへの興味や楽しさが増すことでしょう。あなたの手元にあるパターも、歴史の一部を受け継いでいる名作かもしれません。